AIの回答が操作できる画面に変わる|ChatGPTの新UIと生成AI検索52.3%の意味

結論:AIの回答は「読む文章」から「その場で使う画面」へ。企業側の勝負どころは“比較表の1行”になる
2026年10月7日、OpenAIがChatGPTの回答の作り方そのものを変えました。文章だけでなく、図やグラフ、タップできるボタンやフォームを組み合わせて回答を構成する「Intelligent UI」です。一方、日本では生成AIを検索手段として使う人が初めて5割を超えました。
この2つを並べると、やることははっきりします。AIの回答の中で完結する情報が増えるほど、企業は「AIが作る比較表に、正しい条件で載っているか」で選別されるというのが当社の見立てです。以下、一次情報(確認日2026年10月12日)と、自社ECを20年・9サイト運営しAI検索を実測する立場からの読み方、明日からの手順を書きます。
1. 直近の発表:回答の「形」と、AIの「役割」が同時に変わった
ChatGPT:回答に図・ボタン・フォームが入る(2026年10月7日)
OpenAIは2026年10月7日、ChatGPTのChatタブにGPT-6 Sol/Lunaと新機能「Intelligent UI」の提供開始を発表しました。質問に応じて文章・図表・その場で操作できる要素を組み合わせて回答します。Plus/Pro/Business/Enterpriseから展開を始め、Free/Goへは翌8日から広げる予定です。
- OpenAI「GPT‑6 と Intelligent UI をすべての人に」2026年10月7日 https://openai.com/ja-JP/index/gpt-6-for-everyone/ (確認日 2026年10月12日)
- gihyo.jp 2026年10月8日 https://gihyo.jp/article/2026/10/chatgpt-gpt-6-with-intelligent-ui (確認日 2026年10月12日)
重要なのは回答の中に「比較」「計算」「選択」を置けるようになったことです。利用者が外部サイトでやっていた作業の一部が、会話の中に移ります。
Google:AIが「答える」から「代わりに進める」へ(2026年10月8日)
Google Cloudは米国時間2026年10月8日の「Gemini at Work 2026」で、業務向けの汎用AI「Gemini エージェント」を発表しました。数日にわたるタスクも自律的に処理するとしています。
- Google Cloud 公式ブログ(2026年10月9日公開) https://cloud.google.com/blog/ja/products/ai-machine-learning/welcome-to-gemini-at-work-2026 (確認日 2026年10月12日)
検索の話ではないと読み飛ばされがちですが、当社はここを重く見ています。調べる人間の横に、調べて実行する機械が増える。依頼先の一次候補を機械が絞る場面は増えると考えています。
2. ユーザー側:検索の半分がAIに移り、購買まで届いている
サイバーエージェントGEOラボが2026年9月4日に公表した調査(全国15〜69歳 9,278名、2026年8月7〜10日、マクロミル)では、AI Modeを含む生成AIの検索利用率が52.3%となり初めて5割を超えました(2025年5月は21.3%)。検索エンジンの利用率は86.9%と依然高いものの、2025年5月の91.9%からは下がっています。
- 世代別:10代80.6%/20代61.0%/40代は初の5割超50.2%/60代39.6%
- サービス別:ChatGPT 30.6%、AI Mode 28.4%、Gemini 23.2%(前回2026年2月比で上昇)
- 両方使う人のうち46.6%が「検索の半分以上を生成AIに切り替えた」(2025年5月は30.1%)
- AIの回答のURLをクリックした経験61.0%、AIの推奨をさらに自分で検索した人77.3%、AIに薦められたことがきっかけで購入・利用した経験58.7%
- 全ジャンルで「比較・検討」段階の利用率が「情報収集」を上回る(候補商品の価格比較15.5%など)
出典:サイバーエージェント 2026年9月4日 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787 (確認日 2026年10月12日)
同社次世代生活研究所が2026年10月5日に公表した調査(生成AI利用者1,648サンプル、2026年7月13〜31日)では、用途は全世代で「仕事・勉強・就職活動」が最多の51.5%。Z世代の「商品検索・比較」は男性44.3%・女性27.9%と差があります。同研究所は「生成AIが消費に効くタイミング」を2026年10月中旬に発表予定です。
出典:サイバーエージェント 2026年10月5日 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33855 (確認日 2026年10月12日)
当社の読み方:移ったのは検索ではなく「比較の工程」
「検索が半減する」と読むのは早いと考えています。検索エンジンの利用率は86.9%のまま高く、AIに薦められた後に自分で検索し直す人が77.3%います。移ったのは検索そのものではなく、候補を絞る“比較・検討”の工程というのが当社の見立てです。根拠は、全ジャンルで比較・検討の利用が情報収集を上回っていることと、AIの推奨が購入経験に結びついている58.7%という水準です。
3. 実測して分かったこと:AIは会社を「表の行」として並べる
2026年7月25日、当社はPerplexityに匿名の状態で「中小企業向けにGEO・LLMOを支援してくれる会社」と尋ねました。結果、当社が筆頭・実名で引用され、比較表の1位として、無料診断の有無・料金の起点・対応エリアまで正確に紹介されました。同じ日、「西尾市・三河 HP制作 補助金」では引用元に入ったものの2番手・社名なしの扱いでした。
- AIは文章より先に「表」で会社を並べる。表の列(料金・対応範囲・初回の入り口・実績)がサイトに揃っていなければ、行として立てられません。
- 同じ会社でも、質問の仕方で実名にも匿名にもなる。出力は毎回同じではないため、複数回・複数エンジンで記録する必要があります。
計測には構造的な限界もあります。AI検索経由の判別は参照元(リファラ)に依存するため、回答の中で名前を出されてもリンクを踏まれなかった分は、どのツールでも数えられません。回答内で完結する要素が増えるほど、この「見えない言及」は増えます。アクセス解析だけで「AI検索は関係ない」と判断するのは危険です。
4. 明日からできる3つの手順
手順1:自社が選ばれるときの質問を5本決め、記録を取る(30分)
「◯◯を△△市で頼める会社」「◯◯の費用相場」「◯◯ 小ロット 対応」など、お客様が迷う言い方で5本。ChatGPT・Gemini・Perplexity・GoogleのAIモードで各3回、ログインしない状態で尋ね、次を記録します。
- 引用されたか(実名/社名なし/なし)と、何番目か
- 紹介内容は正しいか(料金・エリア・対応範囲に誤りはないか)
- 競合として一緒に並んだ会社はどこか
月1回同じ表を埋めれば、自社のAI上の見え方が折れ線になります。当社も定期的に数え直し、ズレがあれば記述を書き換える運用にしています。
手順2:比較表に入る列を、ページ内に“表”で書き切る
AIが比較表を作るなら、素材を表で置くのが最短です。サービスページに最低この6列を書いてください。料金の起点/最低ロット/標準納期/対応エリア/初回の入り口/実績の具体。「お問い合わせください」だけのページは、表の行として成立しません。
当社は自社ECで、グッズ本店に350品目超、うちわ本店に190品目超(2025年度に販売実績のあるもの)を掲載し、サイズ・ロット・納期を品目ごとに書き切る運用を20年続けています。地味ですが、この蓄積がそのままAIに読ませる素材になります。
手順3:着地ページを「比較の続き」に作り替える
AIから来た人は、比較を終えて裏を取りに来ます。会社案内ではなく価格の内訳・判断基準・やらない方がいいケースを置いたページに着地させてください。GA4で参照元にAIドメイン(chatgpt.com、gemini.google.com、perplexity.ai など)のセグメントを作り、月次で着地ページを見ます。サービスページに着地していないなら、要るのは広告費ではなく内部リンクの置き直しです。
やらなくていいこと
- AI向けの専用ページを量産する(読み手が変わっても薄い情報は薄いままです)
- 「GEO」「LLMO」といった言葉をページに詰め込む
よくある質問
Q. 生成AIの利用率が52.3%なら、SEOはもう不要ですか?
いいえ。同じ調査で検索エンジンの利用率は86.9%、AIの推奨後に自分で検索する人が77.3%です。置き換えではなく比較工程の上乗せとして使われていると当社は見ています。土台はどちらも「正確で具体的なページ」です。
Q. 何から着手すると効果が早いですか?
手順2です。新しいページを作らず既存ページの修正で済み、人が読んでも分かりやすくなります。
Q. 効果はどう測ればいいですか?
手順1の記録とGA4の着地ページを月次で並べてください。引用されてもクリックされない分は計測できないため、片方だけでは判断を誤ります。
ご相談ください
当社は2006年創業、自社ECを9サイト(本店4+モール5)・20年運営しながら、自社サイトでAI検索の見え方を実測しています。他社事例ではなく自分の会社で試して数え直している立場で、現状の診断からお手伝いできます。支援内容は SEO・AI検索対策(/marketing/seo/) をご覧ください。手順1の記録表を一緒に作るところからでも構いません。
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