ホームページの見積もりが3社でバラつく理由|依頼前に自分で数える3枚の棚卸し表

ホームページの見積もりが3社でバラつく理由|依頼前に自分で数える3枚の棚卸し表
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結論:3社の金額が割れるのは、単価の差ではなく前提の差

ホームページのリニューアルで相見積もりを取ると、3社で金額が2倍以上違うことがあります。多くの場合、原因は各社の単価差ではありません。各社が「何を何件作るのか」を別々に想像して出しているためです。ページ数の数え方が違う、商品の点数の数え方が違う、公開後の修正が含まれるかどうかが違う。前提が違うものは、安いか高いかを比べられません。

比べられる見積もりをもらう方法は一つで、依頼する側が先に数えて、同じ資料を3社に渡すことです。当社は自社ECを本店4・モール5の9サイト、20年運営しています。作る側であると同時に、外部に依頼する発注側でもあります。その両方で効いたのが、依頼前に作る3枚の棚卸し表でした。

1枚目:ページの棚卸し(残す・削る・作り直す)

最初に作るのは、現在のサイトの全URL一覧です。サイトマップ(sitemap.xml)やCMSの投稿一覧からURLを書き出し、表計算ソフトに貼り付けます。列は4つで足ります。

  1. URL
  2. 直近12か月の閲覧数
  3. 問い合わせ・注文につながっているか(はい/いいえ/不明)
  4. 処遇(残す/削る/作り直す)

ここで大事なのは、4列目を必ず埋めることです。「とりあえず全部移す」と決めた瞬間、見積もりは膨らみ、公開も遅れます。逆に閲覧数だけで切ると、件数は少なくても営業が使っている説明ページを落とします。判断に迷うページは、閲覧数ではなく「このページが無いと商談で困るか」で決めると早く終わります。

数える単位を先に決める

同じサイトでも、数える単位を決めないと件数は簡単に倍以上ブレます。「トップページ」を1本と数えるか、ファーストビュー・事業紹介・実績・問い合わせ導線で4本と数えるか。「お知らせ」を一覧1本と数えるか、記事100本と数えるか。見積書の「ページ○本」は、この単位が合っていなければ比較の意味がありません。自社で決めた単位を1行目に書いて渡してください。

2枚目:商品・品目の棚卸し(ECなら最重要)

ECサイトのリニューアルで最も見積もりがズレるのが、商品の点数です。理由は単純で、「品目」と「仕様違いまで分けた単位」はまったく別の数だからです。

当社の例で言うと、FY25(2025年4月〜2026年3月)に販売実績のあった商品を、仕様違いを除いた名称ベースで数えると、オリジナルグッズ本店で350品目超、応援うちわ本店で190品目超です。これを色・サイズ・枚数などの仕様まで分けて数えると、数字は大きく変わります。どちらが正しいという話ではなく、どちらで見積もるかを先に決めていないと、移行作業の工数見積もりが各社でバラバラになるということです。

この表の列は3つです。

  • 品目名(数える単位を明記)
  • 仕様の数(色・サイズ・ロットなど、分岐がいくつあるか)
  • 写真・説明文を作り直すか、現状のまま移すか

3列目は見落としがちですが、費用に直結します。商品データの移行は機械的に移せますが、写真の撮り直しと説明文の書き直しは人手の作業です。「移行」と「作り直し」を分けて数えて渡すだけで、見積書の中身が揃います。

3枚目:計測と外部導線の棚卸し

リニューアル後に「アクセスが減った」と見える事故の一部は、実際には計測が切れているだけです。公開日に計測が止まると、良くなったのか悪くなったのかを判断する材料そのものが無くなります。

計測まわりで一覧にすること

  • GA4のプロパティと測定ID(複数のプロパティが同時に動いていないか)
  • Googleタグマネージャーのコンテナと、動いているタグの一覧
  • どのページで何を「コンバージョン」として数えているか(フォーム送信、電話タップ、資料ダウンロード等)
  • Search Consoleの所有権確認の方法
  • 広告のコンバージョンタグが、どのページに入っているか

当社はGA4・GTMの実装に加え、プロパティが重複して動いている状態の監査と解消を実務として行ってきました。経験上、重複や二重計測は「リニューアルのとき」ではなく「担当者が替わったとき」に生まれて、気づかれないまま残ります。リニューアルは、それを棚卸しできる数少ない機会です。

サイトの外にあるリンクも数える

URLが変わると、サイトの外に置いたリンクも一緒に切れます。当社の場合、オリジナルグッズ本店と応援うちわ本店の2店で、X・Instagram・LINE の3媒体に合計で約2万9千人(Xとインスタグラムはフォロワー、LINEは友だち/2026年8月31日時点)とつながっています。ここから送っている先がリニューアルで404になれば、積み上げた導線がそのまま無駄になります。

棚卸しするのは、SNSのプロフィール欄のリンク、過去の配信に貼ったリンク、名刺・パンフレット・看板のQRコード、取引先サイトからの紹介リンク、Googleビジネスプロフィールの登録URLです。紙に印刷したQRコードは後から直せません。該当するURLは、リニューアル後も同じアドレスのまま残すか、転送を確実に設定するかを先に決めておきます。

見積書を受け取ったら確認する5項目

確認すること 曖昧なままだと起きること
単位が書いてあるか(ページ○本/商品○品目/フォーム○本) 追加費用の交渉が公開直前に発生する
原稿と写真は誰が作るか 「支給前提」で、公開が自社の作業待ちで止まる
公開後の修正は誰がどこまでやるか 文字1行の修正にも都度見積もりが必要になる
計測の引き継ぎが作業項目にあるか 公開日からデータが途切れ、効果を判断できない
何をもって完成とするか(検収条件) 終わりが決まらず、請求と残作業がずれる

5項目のうち、見積書に書かれていないものがあれば、金額を比べる前に質問してください。質問への答え方そのものが、その会社と組んだ後の進み方を映します。

棚卸しは一度きりにせず、数え直す運用にする

サイトに書いた数字は、商品が増減すれば実態とずれていきます。当社は取扱点数のような数字を定期的に数え直し、実カタログと突き合わせてサイトの表記を書き換える運用にしています。たとえばポスターフレーム専門店は、直近の棚卸しに基づいて「200種類以上」と表記しています。

リニューアルのときだけ総点検するのではなく、年に1回は同じ3枚を数え直すと決めておくと、次に作り直すときの資料がそのまま使えます。AI検索が企業サイトの記述を読んで回答に使う場面が増えている今、サイト上の数字が実態と合っているかは、信頼性の問題として以前より重くなっています。

まず1時間でできる最小版

  1. サイトマップからURL一覧をコピーして表計算ソフトに貼る(10分)
  2. アクセス解析から直近12か月の閲覧数を横に貼る(15分)
  3. 上から順に「残す/削る/作り直す」を入れる。迷ったら「商談で使うか」で決める(20分)
  4. GA4のプロパティが1つだけか確認する(5分)
  5. SNSのプロフィール欄のリンク先を書き出す(10分)

この1枚があるだけで、見積もりの精度と比較可能性は大きく変わります。

よくある質問

Q. 棚卸しは制作会社にやってもらえませんか?

A. 代行は可能ですが、調査費が別途かかるのが通例です。また「削ってよいページ」の判断は社内の事情を知らないとできません。1枚目と3枚目は自社で、2枚目の仕様の数え方は制作会社と相談して決めるのが現実的です。

Q. 見積もりは何社から取るべきですか?

A. 社数より、同じ資料を渡すことのほうが重要です。前提を揃えずに5社から取るより、3枚の表を渡して2社から取るほうが判断材料になります。

Q. 古いページはすべて消してよいですか?

A. 閲覧数が少なくても、外部からリンクされているページや営業が使うページは残す判断が要ります。URLを変える場合は転送を設定し、紙に印刷したQRコードの参照先は特に慎重に扱ってください。

ご相談ください

当社は自社ECを本店4・モール5の9サイト、20年運営してきました。作る側としてだけでなく、自社サイトを数え直し、計測を点検し、外部導線を張り直す作業を繰り返してきた発注側でもあります。3枚の表の作り方、いま手元にある見積書の前提が揃っているかどうかの確認から、ご相談を承ります。サービスの詳細はホームページ制作・リニューアルのページをご覧ください。

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十文字 眞輝
十文字 眞輝監修・執筆
代表取締役 CEO / FUN-CREATE株式会社
🎓 中小企業診断士 | EC・WEB運営20年超
2006年創業。自社EC 9サイト(本店4+モール5)を20年運営してきた実運用をベースに、中小企業向けのWEB集客・DX戦略を設計。愛知県西尾市・三河地区の中小企業を中心に支援。
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