ホームページを作り直すと決めた後|公開日までに引き継ぐ3つの資産と移行チェック12項目

ホームページを作り直すと決めた後|公開日までに引き継ぐ3つの資産と移行チェック12項目

ホームページを作り直すと決めたあと、事故が起きるのは「どんなデザインにするか」ではなく「公開日の前後」です。リニューアルで失われやすいのは次の3つです。

  1. 検索の評価(URLが変わったのに、旧URLからの道筋が引かれていない)
  2. 計測の連続性(GA4のタグが二重になり、前後を比較できなくなる)
  3. サイトに載せている数字の正しさ(古い数字が、そのまま新サイトへコピーされる)

いずれも制作の出来栄えとは無関係で、公開日より前にすべて手を打てます。Google検索セントラルの公式ドキュメント(2026年10月14日に当社で確認)と、自社ECを9サイト(本店4+モール5)・20年運営してきた実務から、公開日までに確認する12項目をまとめます。

目次

1. 検索の評価は「URL対応表」を作るところから

Googleの公式ドキュメント「How to move a site」は、URLが変わる移転の手順を次の順で示します。新サイトを準備してテストする → 旧URLと新URLの対応表を作る → サーバー側でリダイレクトを設定して移転を開始する → 新旧どちらのトラフィックも監視する。

抜けやすいのが対応表です。公式はその元ネタとして「サイトマップ」「アクセス解析で流入の多いURL」「サーバーログ」を挙げています。全ページを等価に扱わず、流入のあるURLから優先して対応づけるという考え方です。

公式が明記している注意点(ここを発注時に握る)

  • 一度に1つだけ変える。ドメイン移転・CMS変更・デザイン刷新を同時にやらず、順番に行うこと。
  • 旧URLをまとめてトップページへ向けない。関連性のないリダイレクトはソフト404として扱われる可能性があります。統合したなら統合先のページへ。
  • リダイレクトは最低1年維持する。外部リンクの評価が新URLへ移るまで時間がかかるため。
  • リダイレクトを数珠つなぎにしない。公式の推奨は3回以内・5回未満です。
  • アドレス変更ツールはドメイン/サブドメインを変えるときだけ。パス変更、http→https、wwwの有無では不要です。
  • 開発中のnoindexとrobots.txtのブロックを外す。公式が「よくある間違い」の筆頭に挙げる項目です。
  • 画像とPDFも移す。すでに検索やリンクから流入している資産です。
  • Search Consoleの所有権確認ファイルを新サイトにも入れる。コピー漏れで確認が切れます。

また公式は、移転後の一時的な順位変動は正常で、中規模サイトではGoogleが新URLを表示し始めるまでに数週間以上かかるとしています。公開直後の変動で慌てて差し戻さないために、この前提は発注前に社内で共有しておきます。

当社の実務から

当社の自社ECは、販売実績のある品目だけでグッズ本店が350品目超、うちわ本店が190品目超あり、仕様違いを含めたURLはその数倍です。この規模で「全URLを1行ずつ対応づける」のは現実的ではなく、サイトマップと流入上位のURLを先に対応づけ、残りはパターンでまとめて変換すると切り分けています。

2. 計測は「切れる」より「二重になる」ほうが厄介

計測が完全に止まればすぐ気づきます。やっかいなのは止まらずに増えてしまうケースです。旧テーマに直書きしたタグが残ったまま新テーマにも入れる、GTM経由とgtag.js直書きが併存する、プロパティが複数あってどれが正か分からない。数字は出続けるので、誤りに気づかないまま「リニューアルでアクセスが増えた」と報告されます。

当社はGA4/GTMの実装と、重複プロパティの監査・解消を実務として行っています。公開前にやることは3つです。

  1. タグの入り口を1つに決める(GTMなら、テーマ側の直書きは外す)
  2. 比較する指標を先に決める(セッション、コンバージョン、検索の表示回数・クリック数)。公開後に決めると比較できる期間が残りません
  3. 公開当日にリアルタイムで確認する。公式も移転直後の確認手段として挙げています

3. 古い数字は、そのまま新サイトへ移る

見落とされやすいのが、サイトに書かれている数字です。取扱種類数、創業年数、対応エリア、料金、実績件数。デザインは作り替えるのに、数字だけは旧サイトからそのままコピーされ、誰も疑わないまま新サイトで何年も生き続けます。

当社は、商品の種類数をカタログの実数で定期的に数え直し、全ページのフッターまで一括で書き換える運用にしています。直近では2026年9月5日に、ポスターフレームの取扱を実カタログの件数に基づき「200種類以上」と更新しました。数えて、直して、いつ直したかを残す。リニューアルは、この棚卸しを一度にやれる数少ない機会です。

AI検索では、サイトの記述がそのまま回答に乗る

この棚卸しは、以前より重みが増しています。2026年7月25日にPerplexityで観測したところ、「中小企業向けにGEO・LLMO(AI検索対策)を支援してくれる会社」という質問に対して当社が実名で筆頭に引用され、サービス内容や対応範囲がサイトの記載どおりに紹介されました(生成AIの回答は毎回同じではないため、1回の観測です)。

検索結果なら、利用者はページを開いて日付を見ます。AIの回答は、サイトの記述を要約して直接提示します。新サイトに載せる数字は、公開日の時点で根拠と最終確認日を言える状態にしておく。AI検索を踏まえるなら必須項目です。

外部に置いたリンクも「サイトの一部」

Google公式は、移転直後に更新すべきリンクとして、内部リンクや外部リンクに加えてSNSプロフィール欄のリンクと広告の遷移先を挙げています。当社はX・Instagram・LINEの3媒体で合計約2.9万人の接点があり、差し替え先は媒体ごとにあります。自社の媒体とアカウントを数え、公開日のタスクに入れてください。広告の遷移先が旧URLのままだと、余計なリダイレクトを挟みます。

公開日までのチェック12項目

  1. 旧URLの一覧を、サイトマップ・アクセス解析・サーバーログから作った
  2. 流入上位のURLについて、新URLとの対応表がある
  3. 削除するページは404/410を返す設計になっている(トップへ逃がしていない)
  4. リダイレクトはサーバー側の恒久リダイレクトで、連鎖は3回以内
  5. 開発中のnoindexとrobots.txtのブロックを外す手順が決まっている
  6. 画像・PDFなどのダウンロード資料の移行先が決まっている
  7. Search Consoleで新旧サイトの所有権を確認済み(www有無・http/httpsの別も)
  8. ドメインを変える場合のみ、アドレス変更ツールの申請を予定に入れた
  9. 新しいサイトマップを公開後に送信する担当が決まっている
  10. GA4のタグの入り口が1つに統一され、公開当日にリアルタイムで確認する
  11. 載せる数字(種類数・年数・料金・実績)を数え直し、根拠と確認日を記録した
  12. SNSプロフィールと広告の遷移先URLの差し替えが公開日のタスクに入っている

公開後2週間で見る数字

Search Consoleのインデックス作成レポートで、404が不自然に増えていないかを確認します。公式も移転時の典型的な失敗として「存在しないURLへのリダイレクト」を挙げています。順位の変動は数週間で落ち着きますが、404の急増とnoindexの外し忘れは待っても直りません。この2つは変動と切り分け、即日で潰してください。

よくある質問

リニューアル後にアクセスが落ちました。どれくらい待つべきですか?

公式は、大きな変更の後の順位変動は正常で、中規模サイトでは新URLが表示され始めるまで数週間以上かかる場合があるとしています。ただしリダイレクト先の誤りとnoindexの残存は待っても解消しないため、先にこの2点を確認してください。

旧URLはまとめてトップページへリダイレクトしてよいですか?

公式は推奨していません。多数の旧URLを無関係な1ページへ向けると、ソフト404として扱われる可能性があると明記されています。統合した場合は、その統合先へ向けます。

ドメインを変えないなら、Search Consoleのアドレス変更ツールは不要ですか?

不要です。公式は、必要なのはドメインまたはサブドメインを変える場合のみで、同一ドメイン内のパス変更、http→https、wwwの有無の変更では不要としています。

リニューアルの前に、一度ご相談ください

当社は制作だけを請け負う会社ではなく、自社ECを9サイト・20年運営し、いまも毎日その数字を見ている事業者です。相談を受けて最初に見るのは、デザインではなくURL・計測・数字です。ホームページ制作・改善のサービスページから現状の診断をお申し込みいただけます。他社で制作が進行中の場合も、公開日までのチェックだけで構いません。

出典

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十文字 眞輝
十文字 眞輝監修・執筆
代表取締役 CEO / FUN-CREATE株式会社
🎓 中小企業診断士 | EC・WEB運営20年超
2006年創業。自社EC 9サイト(本店4+モール5)を20年運営してきた実運用をベースに、中小企業向けのWEB集客・DX戦略を設計。愛知県西尾市・三河地区の中小企業を中心に支援。
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