【2026年8月版】AI検索はどこまで来たか|公式発表と検索行動の変化を一次情報で整理

【2026年8月版】AI検索はどこまで来たか|公式発表と検索行動の変化を一次情報で整理

「AI検索、そろそろ対策したほうがいいのか」という相談が増えています。ただ、出回っている情報の多くは出典が曖昧か、海外の数字をそのまま日本に当てはめたものです。

この記事では、Google・OpenAIの公式発表と、日米の調査レポートだけを一次情報として、2026年8月時点で何が起きているかを整理します。あわせて、自社ECを19年・9サイト運営し、自社コーポレートサイトへのAI検索経由の流入をGA4で計測している立場から、「その数字を実務としてどう読むか」を加えます。
(本文中の出典はすべて2026年8月16日に原文で確認しました)

目次

結論:この1年で変わった3つのこと

  1. AIモードは実験機能ではなくなった。Googleは2026年5月、AIモードが月間10億ユーザーを超えたと発表しています。
  2. クリックは確実に減っている。米Pew Research Centerの実測で、AI概要が出た検索の結果クリック率は8%、出なかった検索は15%でした。
  3. 「AI検索での露出」を測る手段が、ようやく提供され始めた。2026年6月、GoogleがSearch ConsoleでAI機能向けのレポートと、生成AI機能への表示可否を切り替えるトグルのテストを発表しました。

逆に言えば、まだ言えないことも多いままです。それは記事の後半で正直に書きます。

1. 各社の公式発表:この1年の動き

Google — 日本語対応から、月間10億ユーザーへ

時系列で追うと、Googleの動きは一貫しています。

時期 発表内容
2025年9月8日 AIモードが日本語を含む5言語に対応(Search内のカスタム版Gemini 2.5を使用)
2026年1月7日 Gemini 3をAIモードへ。英語で約120の国と地域に展開
2026年5月19日
(Google I/O 2026)
AIモードの既定モデルをGemini 3.5 Flashに。月間10億ユーザー突破、クエリ数は「ローンチ以降、四半期ごとに倍以上」。24時間365日ウェブを監視する「情報エージェント」など、検索エージェント機能も発表
2026年6月3日 サイト運営者向けの新しい管理機能と指標を発表(後述)

実務としての読み方:ここで重要なのは「日本語対応が2025年9月」という点です。日本語圏でのAI検索の本格的な蓄積データは、まだ1年分しかありません。「日本ではこうだ」と断言している情報を見たら、その根拠がいつからのものかを疑ってください。

Google — サイト運営者にとって、いちばん重い発表(2026年6月3日)

SEO・GEOの実務家にとって、この1年で最も影響が大きいのはこの発表です。内容は3つ。

  • Search Consoleに、AI機能でのパフォーマンス指標が追加される(AI機能での表示回数、どのページがAIの回答に登場したか、地域別の分布)
  • 生成AI機能への表示をオプトアウトするトグルをテスト中。Googleは「オプトアウトしたサイトは、生成AI機能からのトラフィックも表示回数も受け取らない」と明記しています
  • AIの回答内のインラインリンクを増やし、サイトのプレビュー表示や、ユーザーが優先したい情報源を指定できるサブスクリプションのラベルを追加

ただし、まずは英国の一部サイト運営者に限定したテストからの開始で、日本での提供時期は明示されていません。

実務としての読み方:これまでGEO/LLMOの効果測定は、「AIに聞いてみて出てくるか手作業で確認する」か「リファラでAI検索経由の流入を数える」しかありませんでした。どちらも網羅性がありません。Search Consoleに表示回数が出るようになれば、初めて「クリックされなかった露出」まで自社データで追えるようになります。日本に来たときに即座に使えるよう、Search Consoleのプロパティ設定とサイト構造は今のうちに整理しておく価値があります。

OpenAI — 「AIクローラーを許可した」つもりで、実は許可できていない罠

OpenAIの公式ドキュメントは、クローラーの役割を明確に分けています。

クローラー 役割 ブロックするとどうなるか
OAI-SearchBot ChatGPTの検索機能 ChatGPTの検索回答に表示されなくなる(ナビゲーション用リンクとしては残りうる)
GPTBot モデル学習用のクロール 学習に使われなくなる。検索結果への表示には直接影響しない
ChatGPT-User ユーザー操作起点のアクセス ユーザー起点のため robots.txt が適用されない場合がある
OAI-AdsBot 広告のリンク先ページの検証 広告として登録したページのみ訪問

実務としての読み方:ここが実際によく間違っているところです。当社のrobots.txtを本記事の執筆時に自分で確認したところ、GPTBot・Google-Extended・PerplexityBot・ClaudeBot・Applebot-Extendedは明示的に許可していましたが、ChatGPT検索の可否を握るOAI-SearchBotの記載はありませんでした(全体を禁止していないため実害はなく、そのまま許可されている状態です)。

問題は逆のケースです。「AIに学習されたくないからAIクローラーは一律ブロック」という方針でrobots.txtを書いた会社は、学習を止めたつもりで、ChatGPTの検索回答からも自社が消えている可能性があります。学習拒否(GPTBot)と検索表示(OAI-SearchBot)は別物です。まず自社のrobots.txtを開いて確認してください。

2. ユーザーの検索行動は、実際どう変わったか

米国:クリックは約半分になっている(Pew Research Center)

この領域で最も方法論が堅いのが、Pew Research Centerの調査です。アンケートではなく、実際のブラウジング履歴を計測しています(2025年7月22日公開/米国成人900人/2025年3月の68,879件の検索を追跡)。

  • AI概要が表示された検索で、通常の検索結果をクリックしたのは8%。表示されなかった検索では15%
  • AI概要の中に引用されたリンクがクリックされたのは、わずか1%
  • AI概要があった場合、そのままブラウジングを終了したのは26%(なかった場合は16%)
  • 全検索のうちAI概要が出たのは18%。ただし疑問文形式の検索では60%

さらに2026年6月17日公開の調査(米国成人5,119人/2026年2月17〜23日実施)では、米国成人の約半数がAIチャットボットを利用(2024年の3分の1から増加)、約4分の1が毎日利用約4割が「情報を調べる」用途で使っているとされています。

日本:利用は伸びているが、精度には注意が必要

国内では博報堂DY ONE(次世代検索研究所 piONEer)の「AI検索白書2026」(2026年3月2日公開)が参考になります。2025年3月と2025年11月に同一設計で実施した継続調査です。

  • 最も利用する情報収集手段として「AI検索」を選んだ人が、前回比 約3.5倍(2025年3月時点は10%未満、2025年11月時点で約30%近く)
  • 23.9%がゼロクリックサーチ(サイトを訪問せずに完結)を実行
  • 約22%が「URLをクリックしてWebサイトで情報収集をする機会は減少した」と回答(前回比4.3ポイント増)
  • 一方で32.8%は、生成AIの回答に加えて検索エンジンで追加検索をしている
  • 生成AIの回答を信用している人のうち7.4%が、すでに商品購入や来店行動に至っている

ただし、この調査は公開ページに標本数・調査手法の記載がありません。そのため当社は、これを「精密な実測値」ではなく方向性を示す指標として扱っています。日本語検索におけるクリック率の低下幅を、Pewと同等の厳密さで示した一次データは、現時点で確認できていません。

質問が「長く」なっている

Google自身が2026年5月19日に公表したAIモードの利用実態も見逃せません。AIモードでの検索は、従来の検索クエリの平均3倍の長さだといいます。計画に関する検索は直近半年でAIモード全体より80%速く伸び、「どこで」「何がいいか」といった相談型の質問が増えています。

実務としての読み方:「西尾市 ホームページ制作」ではなく「愛知県西尾市で製造業のサイトを補助金を使ってリニューアルしたいが何から始めればいいか」で聞かれる、ということです。単語で最適化する発想では、この長さの質問には引っかかりません。

3. 自社サイトで計測して見えたこと

当社は自社コーポレートサイトのAI検索経由の流入をGA4で継続計測しています。数字は小さいので統計として一般化はできませんが、外部データを読むときの補助にはなります。

2026年7月3日〜8月1日の1か月間、AI検索経由は58セッション。内訳は chatgpt.com が43、gemini.google.com が7、openai が5、claude.ai が2、copilot.com が1でした。OpenAI系だけで48/58=約83%です。国内でもChatGPTへの偏りが大きいという傾向とは整合しています。優先順位をつけるなら、まずChatGPTから、という判断の根拠になります。

もう1つ、意外だったのが着地ページです。上位は /suppliers/(協力会社ページ)と /recruit/(採用ページ)で、サービス紹介ページではありませんでした。AIは「サイトの顔」を選ぶのではなく、質問に最も具体的に答えている1ページを選びます。会社案内的なLPより、事実と条件が具体的に書かれたページのほうが引用されやすい、という仮説と一致します。

この計測には明確な限界があります。リファラでAI検索を判別しているため、AIの回答内で自社が言及されても、リンクを踏まれなければ1件も数えられません。だからこそ、前述のSearch Consoleの「AI機能での表示回数」が重要になるわけです。

4. 今後の見通し:言えることと、まだ言えないこと

根拠をもって言えること

  • 露出を測る手段が整備される方向にある。GoogleはAI機能の表示回数レポートを実装中で、オプトアウトの選択肢も用意しつつあります(現状は英国の一部でテスト)
  • 質問は長く・具体的になる。Google自身が「平均3倍の長さ」と公表しており、AIモードは月間10億ユーザー規模で、クエリは四半期ごとに倍以上のペースです
  • クリックの総量は減る。Pewの実測(8% vs 15%、AI概要内リンクは1%)は、モデル推計ではなく実ブラウジングの計測です

まだ言えないこと(当社が断定を避けている点)

  • 日本語検索でCTRが何%下がったか。Pew相当の厳密さの国内データを確認できていません
  • AI検索経由の流入がどれくらいの率で成約するか。これは業界全体でデータが乏しい領域です
  • 検索エージェントが実際にどれだけ購買を運んでくるか。Googleが発表した情報エージェント・予約エージェントは提供が始まったばかりで、B2Bの受注に効くかは未知数です

「AI検索で売上が3倍」といった話を見かけたら、その根拠が上のどれに当たるかを確認してください。現時点で誠実に言えるのは、「露出の機会は増え、クリックは減っている。だから、少ないクリックで意思決定まで届くページが要る」までです。

5. 今月やっておくと差がつく3つ

① robots.txt を開いて、OAI-SearchBot の扱いを確認する

5分で終わります。AIクローラーを一律ブロックしている場合、ChatGPTの検索回答から消えている可能性があります。学習拒否(GPTBot)と検索表示(OAI-SearchBot)を分けて判断してください。

② 「質問文そのまま」の見出しを1本のページに用意する

平均3倍の長さの質問に答えるには、単語ではなく問いに答える構造が要ります。既存ページに見出しを足すだけでも着手できます。

③ Search ConsoleのAI機能レポートに備える

プロパティが正しく設定され、サイトマップが最新であること。日本に来たその日から使えるかどうかは、ここで決まります。

よくある質問

Q. AI検索対策をすると、従来のSEOは不要になりますか?

いいえ。AI検索は既存のインデックスとクロールの上に成り立っており、Googleが2026年6月3日に発表したのも、AI機能を含めたSearch Consoleの指標です。従来のSEOの土台を捨てる根拠は、現時点の一次情報には見当たりません。

Q. まずどのAIから対策すべきですか?

当社の実測ではAI検索経由の流入の約83%がOpenAI系でした(2026年7月3日〜8月1日/58セッション)。母数は小さいものの、優先順位をつけるならChatGPTからが合理的です。

Q. AIに学習されたくないのですが、どうすればいいですか?

OpenAIの場合、学習用クロールはGPTBot、ChatGPTの検索表示はOAI-SearchBotと分かれています。GPTBotのみを制限すれば、検索回答での表示は維持したまま学習を拒否できます。

出典

本記事の記述は、以下の一次情報にもとづいています(すべて2026年8月16日に原文で確認、リンクは2026年8月19日に再確認)。

この記事の立場について

当社は自社ECを19年・9サイト(本店4+モール5)運営し、そのすべてでGA4/GTMによる計測を自社で行っています。AI検索についても、他社の受け売りではなく自社サイトを実測しながら検証しています。だからこそ、まだ分かっていないことは「分かっていない」と書きます。

AI検索対策(GEO/LLMO)の具体的な進め方、エビデンスの強い施策と過大評価されがちな施策の切り分けは、AI検索対策・SEOサービスのページで整理しています。1URL・1キーワードの無料診断レポートも承っています。ChatGPT広告の実配信データについてはこちらの記事をご覧ください。

※本記事の出典はすべて2026年8月16日に原文で確認しています。AI検索の仕様は変更が速いため、当社では定期的に再確認し、変更があれば本文を更新します。

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十文字 眞輝
十文字 眞輝監修・執筆
代表取締役 CEOFUN-CREATE株式会社
🎓 中小企業診断士 | EC・WEB運営19年超
2006年創業。自社EC 9サイト(本店4+モール5)を19年運営してきた実運用をベースに、中小企業向けのWEB集客・DX戦略を設計。愛知県西尾市・三河地区の中小企業を中心に支援。
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