中小企業のRPA業務効率化|自社が20業務・月61時間を自動化した実例

この記事の要点
- RPAは「人がPC上で繰り返している定型作業」をソフトのロボットに肩代わりさせる仕組みです。特別なシステム刷新をせず、いまの業務のまま自動化できるのが中小企業に向く理由です。
- 当社(FUN-CREATE)はEC・WEB運営19年超・9サイト(本店4+モール5)を運営しており、そのバックヤード業務にデスクトップ型RPA「アシロボ」を導入しています。
- 現在は20業務を自動化し、月61時間(年730時間)の作業時間を削減しています。これは自社のRPA管理表を集計した一次データです。
- 本記事は「RPAツールの性能紹介」ではなく、自社で実際に導入・運用してわかったことを一次情報としてまとめたものです。
なぜ中小企業にこそRPAが効くのか
RPA(Robotic Process Automation)は、人がパソコン上で毎回同じ手順で行っている作業を、ソフトウェアのロボットが代わりに実行する仕組みです。エクセルへの転記、受注データの取り込み、画像・帳票の加工といった「判断が少なく、手順が決まっている作業」を得意とします。
中小企業では、こうした定型作業を担当者が手作業でこなしているケースが多く、その分だけ本来注力すべき企画・接客・改善に時間を回せていないのが実情です。RPAが中小企業に向くのには、いくつか具体的な理由があります。
1. 既存の業務フローを変えずに導入できる
基幹システムの入れ替えは、費用も期間も大きく、中小企業には負担が重い選択です。RPA(特にデスクトップ型)は、担当者が普段使っているアプリケーションの操作をそのまま自動化するため、業務のやり方を大きく変えずに小さく始められます。
2. 「少人数だからこそ」属人化した作業を切り出せる
人数が限られる現場ほど、特定の担当者しかできない作業が積み上がりがちです。手順が決まった作業をRPAに移すことで、担当者が不在でも業務が止まりにくくなり、人はミスの許されない確認や、対人・企画の仕事に集中できます。
3. 積み上がると効果が大きい
1件あたりは数分の作業でも、毎日・毎週繰り返せば年間では相当な時間になります。定型作業を一つずつ自動化していくと、削減時間は積み上がって全体で大きな効果になります。次章の当社実例がその具体例です。
自社の実例:20業務を自動化し月61時間を削減
当社はEC・WEB運営19年超、9サイト(本店4+モール5)を運営しています。応援うちわ専門店やオリジナルグッズ本店などを日々動かすなかで、受注処理やデータ作成といった定型業務が数多く発生します。これらにデスクトップ型RPA「アシロボ」(ディヴォートソリューション社製)を導入し、社内で運用してきました。
現在の稼働状況は、自動化している業務が20業務、削減時間は月61時間(年間で約730時間)です。これは当社のRPA管理表を集計した実測値で、稼働中の各業務の月間削減時間を個別に合算しても一致することを確認しています。
削減効果の大きい主な業務(上位)
20業務のうち、月間の削減時間が特に大きいものは以下のとおりです。いずれもEC運営の現場で毎日・毎週発生していた定型作業です。
- うちわ簡単オーダーのデータ作成(Illustrator)… 月12.5時間
- ユニフォーム簡単オーダー依頼情報のエクセル化 … 月10.0時間
- 画像拡大サービスの処理(Photoshop)… 月6.7時間
- Webdecoうちわデータの取込み・印刷データ送信 … 月6.0時間
- マイティ受注データのエクスポート … 月5.3時間
上記は削減時間の大きい代表例で、これ以外の業務も含めた20業務の合計が月61時間です。ポイントは、「派手な一発の自動化」ではなく、現場の細かな定型作業を一つずつ移していった積み重ねで、この時間が生まれているという点です。
なお、当社がこれまでにRPA化を試みた業務は累計で33業務にのぼります。そのうち、AIでの処理に切り替えたものや、運用を見直して手動に戻したものもあり、結果として「今も効果が出続けている20業務」が稼働している状態です。「一度作って終わり」ではなく、効果を見ながら取捨選択してきた結果である点も、実運用ならではの学びです。
中小企業がRPAで失敗しないための選び方・つまずきポイント
当社が実際に導入・運用してわかった、事前に知っておくと役立つ観点をまとめます。
1. まず「向いている作業」から選ぶ
RPAが得意なのは、手順が決まっていて判断の少ない繰り返し作業です。逆に、毎回内容が変わる・例外が多い・人の判断が必要な作業は自動化に向きません。最初は「毎回まったく同じ手順でやっている作業」を洗い出すところから始めると、効果が出やすくなります。
2. ツールの型(デスクトップ型/サーバー型)を業務規模で選ぶ
担当者のPC上で動かすデスクトップ型は、少人数の現場で小さく始めるのに向きます。全社的に大量処理を回す場合はサーバー型が候補になります。自社の業務量と体制に合った型を選ぶことが、費用対効果を左右します。当社はEC運営のバックヤードという性質から、デスクトップ型を選択しています。
3. 「作って終わり」にしない前提で始める
業務内容やシステム側の画面が変われば、RPAの手順も見直しが必要になります。当社が33業務を試して20業務に絞り込んだように、定期的に効果を確認し、止める・作り直す・別の手段(AI等)に切り替える判断を織り込んでおくことが、長く効果を出し続けるコツです。
4. 削減時間を「見える化」しておく
どの業務で何時間削減できたかを記録しておくと、次にどこを自動化すべきかの判断がしやすくなります。当社も業務ごとの削減時間を管理表で集計しており、それが「月61時間」という全体像の把握につながっています。
まとめ:小さく始めて、積み上げる
RPAは、大がかりなシステム刷新をしなくても、いまある定型作業を一つずつ自動化して効果を積み上げられる仕組みです。当社自身、EC運営の現場で20業務を自動化し、月61時間(年730時間)の作業時間を生み出してきました。この時間を、企画や改善といった本来注力すべき仕事に振り向けられることが、RPAの本当の価値だと考えています。
一方で、「どの業務から手をつけるべきか」「そもそも自社の作業がRPAに向くのか」は、現場ごとに事情が異なります。当社には、EC運営19年の実運用経験に加え、中小企業診断士による業務・補助金の相談体制があります。省力化やデジタル化に使える補助金の活用も含めて、御社の状況に合わせてご提案できます。
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