AI検索はいま何が起きているか|2026年9月時点の最新動向と実務での読み方

結論:AI検索は「増え続ける」から「使われ方が固まる」段階に入った
2026年のAI検索は、セッション数が毎月跳ね上がる局面を過ぎ、どのエンジンが・どんな場面で使われるかが固まりはじめる段階に移りつつあります。国内シェアはChatGPTに偏り、広告やショッピング機能は英語圏から順に実装が進む一方、日本のユーザーはAIの要約を読み飛ばして自然検索結果から自分でサイトを選ぶ傾向が5カ国中で最も強い、という調査結果も出ています。
本記事は一次情報を出典と確認日つきで整理し、自社ECを19年・9サイト(本店4+モール5)運営し、自社サイトへのAI検索経由の流入を実測している立場からの解釈を加えたものです。出所を確認できなかった数字は書いていません。
1. 各エンジン・各社で何が起きているか
国内はChatGPTに偏るが、Geminiが伸びている
Hakuhodo DY ONEの次世代検索研究所piONEerによる2026年7月分の集計では、AI検索エンジンの国内シェアはChatGPTが約66%(前月比1.31ポイント減)、Geminiが前月比4.59ポイント増。AI検索全体のセッション数は2024年4月比で6,468%増に達する一方、前月比では1.6%減でした。従来型検索(Google・Bing・Yahoo! JAPAN)のセッション数シェアは前月比4.3%増です(出典:ONEDER/2026年9月8日公開・2026年9月14日確認)。シェアの元データはStatCounterの推定値で、実ユーザー数とは異なる場合がある点は同社も注記しています。
読み違えやすいのは「AI検索が従来検索を食っている」という図式です。直近の数字を見るかぎり従来型検索も増えており、AI検索は上乗せで伸びてきたと読むほうが自然で、SEOをやめてAI検索へ乗り換えるという判断にはまだ根拠がありません。
広告とショッピングは英語圏が先行、日本は未導入
同社の「AI検索白書2026」抜粋によれば、AI Overviews内の広告は2024年10月に英語圏で開始、2025年2月にMicrosoft Copilotが広告テストを導入、2025年5月にAIモードの広告が英語圏で開始、2026年1月にはChatGPTの米国での広告テスト開始が発表されました。AIモードの日本語版提供は2025年9月開始で、ChatGPTとPerplexityではショッピング機能も動いています。ただし同記事時点で、日本で正式リリースされた広告機能はありません(出典:ONEDER/2026年3月2日公開・2026年9月14日確認)。
日本での正式導入時期は各社とも発表しておらず、「いつ来るか」はまだ言えません。言えるのは、英語圏で実装された機能が順に日本へ広がる流れが続いているという事実だけです。
2. ユーザーの検索行動はどう変わったか
ゼロクリックは約4分の1、追加検索は約3分の1
AI検索白書2026の調査では、AIの回答後にWebサイトへ遷移せず検索を終える「ゼロクリックサーチ」を行う人が23.9%。一方で32.8%は、AIの回答に加えて検索エンジンで追加検索をしていました。全体の約22%は「URLをクリックしてWebサイトで情報収集をする機会は減少した」と回答し、半年前より4.3ポイント増。AI Overviewsの出現率も観測キーワード全体の9%(2025年5月)から32%(同年11月)へ拡大したと報告されています(出典:ONEDER/2026年3月2日公開・2026年9月14日確認)。
日本のユーザーは「AIの要約を読み飛ばす」傾向が最も強い
アウンコンサルティング(東証スタンダード・2459)が日本・米国・ドイツ・インド・シンガポールで実施した調査では、日本で最も多かった回答は「AIによる概要は読まずに、下部の自然検索結果からウェブサイトにアクセスする」で36.7%、5カ国中で最も高い数値でした。米国(24.7%)やシンガポール(29.5%)は概要内のリンクからの遷移が比較的定着。「検索エンジンと同じくらい、またはそれ以上にAIを利用する」積極利用層は、インド85.5%・シンガポール69.5%に対し日本は28.0%でした(出典:アウンコンサルティング/2026年7月14日公開・2026年9月14日確認)。
この2つを重ねると日本市場の現実が見えます。AI検索は増えているが、日本のユーザーはまだ「自分で選んだサイトを見たい」。AIの回答に名前が出ることと、自然検索でクリックされる位置にいることの両方が必要で、どちらかを捨てる段階ではありません。
3. 自社でAI検索を計測している立場からの解釈
自社サイトの流入内訳も、ChatGPT偏重と一致した
当社サイトのAI検索経由の流入は、2026年7月3日〜8月1日の1か月で58セッション。内訳はchatgpt.com 43/gemini.google.com 7/openai 5/claude.ai 2/copilot.com 1でした。規模は小さいものの国内シェアとほぼ同じ偏りが自社でも観測されています。着手するなら全エンジンを均等に追うより、まずChatGPTに引用される状態をつくるほうが合理的です。
アクセス解析だけではAI検索の効果は測りきれない
当社の計測はリファラ(参照元)でAI検索を判別しています。つまりAIの回答内で自社が言及されても、リンクが踏まれなければ数に出ません。先のゼロクリック23.9%は、この計測不能ゾーンの大きさを示しています。アクセス解析だけで「AI検索対策は効果がない」と判断するのは、計測の仕組み上、早すぎる結論です。
そこで当社は、流入計測とは別に「AIの回答へ実際に名前が出るか」を直接確認しています。2026年7月25日、Perplexityで「中小企業向けにGEO・LLMO(AI検索対策)を支援してくれる会社」と匿名環境で尋ねたところ、当社が比較表の筆頭に実名で引用されました。ただし生成AIの回答は毎回変わるため、1回の観測で断定はできません。定点観測として複数回記録する運用にしています。
着地ページは、想定したサービスページとは限らない
もう一つ、AI検索から来た人の着地ページは必ずしもサービス紹介ページではありません。当社では取引先向けページや採用ページが上位でした。AIは会社全体の情報を読んで回答を組み立てるため、「売りたいページ」だけを整えても人が降りてくる場所は別になり得ます。
4. 今後の見通しと、いま言えないこと
現時点の一次情報から、比較的確からしく言えるのは次の3点です。
- AI検索の利用は増えているが、従来型検索も同時に増えている。両方への対応が必要
- 国内のAI検索利用はChatGPTに集中しており、着手の優先順位は明確
- AI Overviewsの出現率は上がっており、検索結果の見え方が変わる前提で設計する必要がある
逆にまだ言えないことも明確にしておきます。日本でのAI検索広告の正式導入時期は未発表です。AI検索経由の訪問がどの程度売上に結びつくかも、標準的な計測手法すら固まっておらず断定できません。「AI検索対策で売上が何倍」といった数字を見たら、その取得方法を必ず確認してください。
よくある質問
SEOはもう不要になりますか?
そう言える段階ではありません。従来型検索のセッション数は前月比で増加しており(ONEDER・2026年7月分)、日本のユーザーの36.7%はAIの概要を読まずに自然検索結果からアクセスしています(アウンコンサルティング・2026年7月14日)。置き換えではなく併存です。
どのAIから対策すべきですか?
国内シェアと当社サイトの実測のどちらでもChatGPTが最も多いため、ChatGPTを起点にするのが現実的です。
効果はどう測ればよいですか?
リファラ計測に加え、AIの回答に自社名が出るかを定期的に記録する方法を併用してください。回答は毎回変わるため、単発ではなく複数回の観測が必要です。
まとめ
AI検索の動向は数字が独り歩きしやすい領域です。当社はEC19年・9サイト運営の実感と、自社サイトの実測データの両方を根拠に判断しています。自社サイトがAI検索でどう扱われているか確認したい方は、SEO・GEO/LLMO対策のサービスページをご覧ください。
本記事の数値は2026年9月14日に各出典を確認した時点のものです。出典:Hakuhodo DY ONE「AI検索エンジンのトラフィック推移と動向(2026年7月)」「AI検索白書2026より抜粋」/アウンコンサルティング「AIツールの利用状況と検索における利用実態調査」。
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