アシロボで33業務を試して20業務が残った|RPAに向く業務の選び方を自社データで

アシロボで33業務を試して20業務が残った|RPAに向く業務の選び方を自社データで
目次

結論:アシロボは「導入するか」より「どの業務から入れるか」で決まる

アシロボ(純国産のデスクトップ型RPA)の検討でご相談をいただくと、質問はたいてい料金と操作性に集まります。ただ、当社が自社で数年運用してきた実感として、成果を分けるのはそこではありません。最初に自動化する業務の選び方です。

当社はアシロボを自社EC運営に導入し、累計33業務をRPA化・検討してきました。そのうち現在稼働しているのは20業務で、削減効果は月61時間(年約730時間)です。つまり13業務は残っていません。そして残った20業務の中でも、効果は驚くほど偏っています。この記事はその「偏り」と「選別」の話です。

製品そのものの特徴・動作環境・料金の考え方は別記事にまとめています(アシロボとは|料金・動作環境と自社の実データ)。本記事は業務選定に絞ります。

前提:この記事の数字は当社自身の運用実績です

FUN-CREATEはEC・WEB運営19年超、自社EC9サイト(本店4+モール5)を運営しています。受注処理、印刷用データの作成、モールへの商品登録といった「毎日同じ手順で発生する作業」が常時ある会社です。アシロボは、その自社業務に対して導入しました。販売のための検証ではなく、自分の現場の残業を減らすために入れたものです。

以下の数字はすべて社内のRPA管理表の集計値です。稼働シナリオ数20、月間削減61時間は、シート集計値と稼働20行の個別合算(61.0時間)が一致することを確認しています。

削減効果は上位5業務で全体の約3分の2に偏る

稼働中20業務のうち、月間削減時間の大きい順に上位5つを挙げます。

業務 月間削減時間
うちわ簡単オーダーのデータ作成(Illustrator) 12.5時間
ユニフォーム簡単オーダー依頼情報のエクセル化 10.0時間
画像拡大サービス(Photoshop) 6.7時間
Webdecoうちわデータ取込み・印刷データ送信 6.0時間
マイティ受注データエクスポート 5.3時間

合計40.5時間。20業務で月61時間のうち、上位5業務だけで約66%を稼いでいます。残り15業務の合計は約20時間、単純平均すると1本あたり1.4時間程度です。

ここから言えることは1つです。「小さい作業から練習でやってみる」という始め方は、効果が出ないまま終わりやすい。RPAは作れば動きますが、動いたからといって時間が浮くとは限りません。月に1時間しか浮かない業務を5本作っても、社内の空気は変わりません。逆に、上のような10時間級の業務が1本自動化されると、担当者の体感がはっきり変わります。

「10時間級」の業務には共通点がある

上位に並んだ業務を見返すと、いずれも1件あたりの作業は数分だが、件数が多いタイプです。1件3分の手作業が月200件あれば10時間になります。逆に、1件30分かかるが月2件しかない業務は、どれだけ面倒でも月1時間です。
探すべきは「面倒な業務」ではなく「回数の多い業務」です。この視点の切り替えだけで、最初の1本の選定精度は上がります。

13業務が残らなかった理由は、ひとつではない

累計33業務のうち、いま稼働しているのは20業務です。差分の13業務は、AI活用へ移行したもの、手作業運用に戻したもの、そもそも対象業務自体がなくなったものが混在しています。この13業務を理由別に何件ずつと分類できるデータは社内にないため、件数の内訳は書きません。

ただ、運用してきた経験として言えることはあります。RPAをやめる判断は失敗ではなく、運用の一部です。作ったシナリオを全部維持しようとすると、業務が変わるたびに直す作業が増え、いつのまにか「ロボットの世話」が新しい手作業になります。効果の薄いシナリオは止めた方が、全体の時間は減ります。当社の稼働数が33ではなく20で落ち着いているのは、その整理を続けた結果です。

当社の運用で「向かない」と判断した業務の特徴

  • 人の判断が入る業務(例外処理の頻度が高い、毎回目視で確認が必要)
  • 頻度が低い業務(年に数回。作る手間と保守の手間が効果を上回る)
  • 操作対象の画面が頻繁に変わる業務(外部サービスの仕様変更で止まりやすい)
  • 業務そのものが今後変わりそうな業務(自動化より先に、やめる・まとめるを検討すべき)

4つ目が最も見落とされます。RPAは手順をそのまま速くする道具なので、ムダな手順を高速で再生することもできてしまいます。自動化の前に業務を1回削るだけで、シナリオ本数が減った例が当社にもあります。

料金について、この記事では金額を書きません

アシロボの月額・初期費用は比較サイトに数字が出回っていますが、本記事の執筆時点で提供元公式サイトの表記を当社が直接確認できていません。古い金額を載せて判断材料にされる方が実害が大きいため、金額は書かず、提供元の公式情報をご確認いただく形にしています。当社にご相談いただければ、確認できた最新の条件をそのままお伝えします。

補助金:2026年9月8日時点で公募中の制度

以下は2026年9月8日に事務局の公式サイトで確認した日程です。補助金は日程・要件が更新されるため、申請前に必ず出典先の最新表記をご確認ください。

デジタル化・AI導入補助金2026

  • 通常枠/インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)/セキュリティ対策推進枠の5次締切分:2026年9月29日(火)17:00
  • 交付決定日:2026年11月9日(月)(予定)/事業実施期間・実績報告期限:交付決定〜2027年4月30日(金)17:00(予定)
  • 複数者連携デジタル化・AI導入枠の3次締切分:2026年10月30日(金)17:00

公式サイトには「確定している募集回のスケジュールのみ公表」と明記されています。以降の回は現時点で日程が公表されていません。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール(2026年9月8日確認)

中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回

  • 第8回公募中:2026年8月18日(火)〜10月中旬(予定)
  • 申請ポータルでの受付開始は2026年9月中旬を予定と案内されています
  • カタログ注文型は交付申請を随時受付中と案内されています

出典:中小企業省力化投資補助事業 公式サイト(2026年9月8日確認)

注意:RPAが補助対象になるかは制度ごとの要件次第です

デジタル化・AI導入補助金では、補助対象は事務局に登録されたITツールであることが前提です。アシロボが現時点で登録ITツールに該当するかは、当社として本日確認できていないため断定しません。申請を検討される場合は公式のITツール検索で申請時点の登録状況をご確認ください。補助率・補助上限額も、本記事では公募要領原文を確認した範囲に限りたいため記載していません。

よくある質問

アシロボを入れれば何時間くらい削減できますか?

業務の件数と手順の固定度に依存するため、一般的な目安はお答えできません。当社の場合は、稼働20業務で月61時間(年約730時間)です。ただしその約66%は上位5業務によるもので、業務選定次第で結果は大きく変わります

まず何本くらい作ればいいですか?

本数を目標にしないことをおすすめします。当社は累計33業務を検討して、いま稼働しているのは20業務です。本数より「月10時間級が1本あるか」を先に確認してください。

自社に向く業務があるかどうか、どう判断すればいいですか?

直近1か月の作業を「1件あたりの時間 × 月間件数」で並べてみてください。上位に来た業務のうち、判断を伴わないものが候補です。当社が自社ECで自動化した実務は中小企業のRPA業務効率化|自社が20業務・月61時間を自動化した実例で紹介しています。

最初の1本を決めるところからご相談ください

当社は自社の運用記録をもとに、活用例をまとめた資料「RPA導入による業務効率化〜アシロボ活用実例50選〜」(全60ページ)を公開しています。タイトルの「50選」は活用例カタログの件数であり、当社の稼働シナリオ数(20業務)ではありません。数字の意味を取り違えたまま社内説明に使われるケースがあるため、あえて明記しておきます。

FUN-CREATEは中小企業診断士を中核とした6名体制で、業務の棚卸しから補助金の適合確認、導入後の運用整理までを一貫して支援しています。「どの業務から手を付けるべきか」の整理は、経営・事業計画のご相談からお受けできます。まずは削減できそうな業務の候補出しだけでも構いません。

この記事に関連するサービス

WEB集客・DX化のお悩みは、中小企業診断士を中核とした専門家チームのFUN-CREATEにご相談ください。初回の現状診断レポートをお届けします。

WEB診断レポートを依頼する 💰 補助金活用について相談する →
十文字 眞輝
十文字 眞輝監修・執筆
代表取締役 CEOFUN-CREATE株式会社
🎓 中小企業診断士 | EC・WEB運営19年超
2006年創業。自社EC 9サイト(本店4+モール5)を19年運営してきた実運用をベースに、中小企業向けのWEB集客・DX戦略を設計。愛知県西尾市・三河地区の中小企業を中心に支援。
目次